死ぬまでオタク

(基本的に)テレビとアニメしか観ません

鳴り響く『創聖のアクエリオン』から思考は大きく迂回する

 きょう 昼寝から目覚めたとき なぜだか『創聖のアクエリオン』の主題歌『創聖のアクエリオン』が頭に鳴り響いていた

 

弾幕ソングアニメ

 2007年 ニコニコ動画の登場・台頭により 『真赤な誓い』などとともに 『創聖のアクエリオン』は「弾幕ソング」として急激に人気を集めていた

 おれは2005年のTV版も観ないままに 東京の某映画館のすごく小さなシアターで 『劇場版アクエリオン ─創星神話篇─』というアニメ映画を わけもわからないままに観た これは実は『創アクエリオン』というOVAの劇場版である

 

創聖のアクエリオン』放映開始前後

 そもそもニコニコ動画ができる前から 『創聖のアクエリオン』という楽曲は人気があった 2ちゃんねるでは「久しぶりに出てきたロボットアニメの正統派主題歌」とか評されていた 気がするだけ

 

創聖のアクエリオン』は2005年4月に放映を開始した そう 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が折り返しに入り 『交響詩篇エウレカセブン』が始まったクール

 

 なにもDESTINYやエウレカの主題歌が「ロボットアニメのテーマソングらしくない」といっているわけじゃない 

 

乖離90‘s

 アニソンとアニメの内容の乖離に関して 一言言っておく

キテレツ大百科』の主題歌の本編との乖離を観てご覧なさい これは独自意見だが 『幽☆遊☆白書』の主題歌『微笑みの爆弾』の歌詞ですら 本編と乖離しているように思われる 

 当時のフジテレビのアニメには そういう主題歌が多かったのだ 比べてごらん 『幽☆遊☆白書』の30分後に放映されていた某美少女戦士アニメの主題歌『ムーンライト伝説』の歌詞と!

 

『僕たちの行方』『DAYS』『月光花

 脱線したので 話を元に戻すと DESTINYの3つめのオープニングテーマは高橋瞳の『僕たちの行方』だ たしか高橋瞳のデビュー作だったか 『僕たちの行方』に関しては 高橋瞳に作詞の権限がなかったので DESTINYの内容とどの程度合っていたのか未知数 ただ 『僕たちの行方』というタイトルは 極端に当時のDESTINYの内容と乖離していないことは確かであろう

 

 交響詩篇エウレカセブン オープニングテーマはFLOW すでに週刊少年漫画原作アニメの主題歌を歌っていた実績あり 覚えておられる方は覚えておられるだろう FLOWはもともと海援隊の『贈る言葉』のカバーで世に出たバンドであり 武田鉄矢に「ただ速くすればいいもんじゃない」と言われた噂で有名だった(この噂は今も語り継がれている)

 ただエウレカの主題歌『DAYS』は自作自演楽曲である WikipediaWikipedia記事の引用元のインタビューを信じるならば この『DAYS』という曲は エウレカセブンというアニメの資料を参照して作詞された楽曲だ 

 

 

DAYS (FLOWの曲) - Wikipedia

 

 2017年9月14日閲覧 ほら書いてあるじゃないか「キャッチコピーは、『MBS・TBS系全国ネット「交響詩篇エウレカセブン」オープニングテーマ』」 

 

 あと 半年前の2004年10月 『犬夜叉』の後番組として『ブラック・ジャック』が始まった オープニングテーマはJanne Da Arcの『月光花』 じつは アニメ版における『月光花』の歌詞の一部は 原曲には存在しない いわば 付け足されているのだ アニメの内容を意識したオリジナルな歌詞が

 

 無理やりこの記事をまとめるなら 2000年代中盤あたりから たとえタイアップ楽曲にすぎなくとも タイアップ先の作品内容を意識する意識が高くなったということだ

ナイスボート以降の元永慶太郎監督TVアニメ

 

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School Days』最終回から 10年が経とうとしている

 多くの方はご存知のとおり 『School Days』の最終回は 様々な要因によって テレビ神奈川ほか 地上波局では放映されなかった

 しかし おれたちは『School Days』の最終回を観ている どうやって? AT-X(スカパー)なんか入られるわけがない 当時できたばっかりのニコニコ動画は無法地帯 数々のアニメ作品の違法アップロードがまかり通っていた(サンライズだけ異様に違法配信に対して厳しかった記憶がある)

 で School Daysは主にニコニコ動画で流行っていた上に 本放映分の映像をニコニコの違法配信でしか観なかったやつが非常に多かった 白状しよう ぼくもその1人だ テレビ神奈川で船舶旅行の映像が流れてから10年 桂言葉伊藤誠の生首を小舟で抱きしめてから 10年 時効にしてくれないか 誓って言う ぼくは一度も『誠死ね』とコメントしたことはなかった

 

スクイズ終了以降の元永アニメ

 School Daysが終わったあと 元永慶太郎監督はどんな道のりを辿ったか

 TV作品に限定する

 

 注目すべきは 『刀語』でホワイトフォックスとのつながりができたことだ

 以後元永慶太郎ホワイトフォックスで監督したのは 『ヨルムンガンド』『うたわれるもの 偽りの仮面』

 そして僕は 『刀語』『ヨルムンガンド』『うたわれるもの 偽りの仮面』を 一切見ていない

 

あかね色に染まる坂』と『タユタマ』はよく覚えている

 どちらもエロゲーが原作 『あかね色に染まる坂』は声優が信じられないほど豪華で 『タユタマ』はオープニングテーマが好きだった

 

銀河機攻隊マジェスティックプリンス』の監督を任されたのは ロボットアニメの演出経験が豊富だったからだろう 何しろ『機動警察パトレイバー』(1989年)の頃から 演出を担当しているのだから

1977年開始の比較的マイナーだと思われるTVシリーズから6作品ピックアップ

ジェッターマルス

ストーリー - ジェッターマルス - 作品ラインナップ - 東映アニメーション

 

 東映公式には 『鉄腕アトム』のリメイクだと 堂々と書かれてある さらには 『アトム』から借用したエピソードもあるとかなんとかかんとか

 ここで 東映りんたろうのつながりができる ちなみに Wikipediaを信じるならば りんたろうが(名義こそ違えど)『鉄腕アトム』の演出を初めて担当したのは 1963年6月25日放映の第26話「アトラス」

 

合身戦隊メカンダーロボ

 オープニングテーマの「メカンダーロボ」連呼が印象的な 和光プロ制作のロボットアニメ キー局は東京12チャンネル AT-Xで再放送されていたのを観た記憶 演出が安濃高志であった記憶 なおこの作品はスーパーロボット大戦に参戦している

 

『あしたへアタック!』

 タイトルロゴがオープニングの最後に出るのが斬新だと思った

 わりと知名度は高いのだろう おれはフジテレビ721(当時)の再放送で観た記憶があるが 曖昧だ そのほかにもCSやらBSやらで再放送実績があったと思う

 この年からバレーボールワールドカップが恒常的に日本開催(しかもCX独占中継)となったのが 企画の背景にあったのは 明確である

 

超合体魔術ロボ ギンガイザー

 テレビ朝日で放映されたロボットアニメ 日本アニメーション制作だが 全話葦プロダクショングロス請け この形式は前年の『ブロッカー軍団IVマシーンブラスター』とまったく同じ 主演井上和彦 ギンガイザーは4体合体ロボだったようだ 後番組は『若草のシャルロット

 

シートン動物記 くまの子ジャッキー』

 オタクが軽視しがちな名作路線・動物ものアニメ ではあるが この年は『あらいぐまラスカル』が強すぎた ジャッキーの声優は今は亡きつかせのりこ ABC(朝日放送)をキーステーションにテレ朝系列で放映 後年 『シートン動物記 りすのバナー』という作品もできた SHIROBAKOの宮森あおいが好きそうなアニメだ

 

女王陛下のプティアンジェ

 で くまの子ジャッキーの後番組が これなんである 主演潘恵子 キャラデザ高橋資祐 OP映像を目撃した人ならわかる通り これは罪作りなアニメだ なんといってもアンジェの容姿が現代の萌えアニメに極めて近いのが極めて衝撃的であり 本編映像ではどんな顔面になっていたかどうかは知らないが 当時目覚め始めていたロリコンを籠絡させるのは アンジェにお任せだったのである

『ゼーガペイン』カミナギ以降の2000年代が終わるまでの花澤香菜さんについて

 風に吹かれて

  カミナギ・リョーコの声は

   もう戻ってこない--

 

2007年

ぽてまよ ぽてまよ

 何を隠そう 初めて花澤香菜の演技を聴いた作品である

 ぽてまよを飼うのが森山素直くん(喜多村英梨) ぽてまよのライバル的な存在として登場するのがぐちゅ子(辻あゆみ)だったと思う

 

 そうか みんなもう 辻あゆみを知らないのか

 

 釘宮理恵が素っ頓狂な声を出していたり 野中藍甲斐田裕子の母親を演じていたり すげぇ脇役で豊崎愛生が出ていたり いろいろとカオスな面々であった
 

 ぽてまよに関してはセリフも糞もなかったが

 

スケッチブック ~full color's~ 梶原空

 原作は大好き

 ただ……4コマ原作アニメを作っていく過渡期だったのかな? 構成が非常に不満でした 原作と別作品になっちゃってるんだもんなあ

 

 さておき

 このアニメは日笠陽子のデビュー作です

 キャスティングに関しては サトジュン(監修)が大鉈を振るったのか知らんが 異常に斬新であった

 

 日笠陽子は第1話でもう出てきます

 梶原空の演技については 原作の単行本を読んで想像していただければと思います

 にしてもケイトってゴットゥーザだったのかよ……

 

 

 

 

スケッチブック~full color's~ 第1巻 [DVD]

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2008年

狂乱家族日記 乱崎優歌

ToLOVEる 結城美紺

魔法遣いに大切なこと~夏のソラ~ 鈴木ソラ

かんなぎ ざんげちゃん

 

作品としては『夏のソラ』 キャラクターは結城美紺が好きでした

 

 

 

 

 

 

 

2009年

明日のよいち! 斑鳩かごめ

PandoraHearts シャロン

化物語 千石撫子

こばと。 花戸小鳩

DARKER THAN BLACK -流星の双子- 蘇芳・パブリチェンコ

 

かごめちゃんはロリ巨乳

PandoraHeartsシャロンちゃんは中々可愛かったと思います

 

 

PANDORAHEARTS DVD RETRACE:4

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1982年までの東映TVシリーズについて

1960年代

 まったくといっていいほど観ていない(-_-;)

 唯一 かなりの話数を観ていたのが ひみつのアッコちゃん 母がレンタルビデオ屋から妹のために借りてきた のを観た まだテレ朝が「日本教育テレビ」と呼ばれていた頃の作品である

 

 ちなみにその『ひみつのアッコちゃん』の前番組が魔法使いサリーであった レンタルビデオ屋に 初期の『魔法使いサリー』のエピソードが収録されたビデオが置いてあって そこで『魔法使いサリー』が 白黒からカラーへと移行する作品であると知った

 まぁ 最終回は「懐かしのアニメ名場面云々~」で 子供時代に腐るほど観ているし ネタバレもクソもなくなってしまっている 最終回は当然カラー制作である

 おれは 20代なかばになってから 杉並のアニメーションミュージアムで『魔法使いサリー』の1話を観た 当然のことながら白黒であった サリーの正体がバレるとヤバイという設定は第1話から貫かれていた

 

『ハッスルパンチ』

 これも第1話を杉並アニメミュージアムで観た 主演が大山のぶ代で かなり棒読み臭かったのは 幼年視聴者に配慮してのことなのか 一寸わからねえ 1965年なので当然白黒

サイボーグ009

 白黒版です はい

 これまた杉並アニメミュージアムのお世話になった 第2話だったか何話だったか忘れたが 「Xの挑戦」という回だけ観た 原画に大橋学がいて 木が燃えるカットの作画がすごかった記憶がある もうひとつ「太平洋の亡霊」という有名な回があるのだが その回はまだ観ていない

 

タイガーマスク

 これも杉並アニメミュージアムにお世話になった作品 最終話を観た 作画ヤバイ 演出ヤバイ なにがヤバイかって良い意味でヤバイのだ まぁ最終回は70年代初頭なわけだが 鳥肌が立つアニメだった 

 ブシロード新日本プロレスの親会社になったので 何年か前 金曜の夜だったか? MXで再放送されていた 何の事はない 現代劇である ただし昭和40年代の現代劇だ ただこの時代 現代劇アニメはむしろ珍しかったのではないか 梶原一騎の功績である

 

1970年代

 全く観ていない_| ̄|○

 実は(?)70年代東映は 最大のウィークポイントで 幼少期に一休さんの再放送を見せられまくったことぐらいなのだ ちなみに『一休さん』の後枠が『The かぼちゃワイン』 すごくない?

 

 なお70年代後半に 日本教育テレビ全国朝日放送に改名し 通称「テレビ朝日」が誕生した

 

マジンガーZ

 ただし おれぐらいの世代であれば 『マジンガーZ』の最終回を知っているやつは多いはずだ 『魔法使いサリー』の最終回と同じく 「懐かしのアニメ名場面が云々~」的番組で ほぼ100%取り上げられていたからだ どんな最終回って? ネタバレはやめようね

 

 ほかにもゲッターロボはある時期まではスパロボに必ず出てきたし グレートマジンガーにしろゲッターロボGにしろ 本編は知らなくてもキャラは知っているという逆転現象が起こり ほかにもデビルマンキューティーハニーは観てなくても日本人の3/4は認知してるだろうし 要するに大正義ダイナミックプロ

 一番エロいのは魔女っ子メグちゃんかもしれないが(唐突)

 

 そして70年代終盤になって 宇宙海賊キャプテンハーロック 銀河鉄道999』 と 立て続けに始まるわけで 特に『銀河鉄道999』のオチは ある一定の世代まではほとんど知っているものだと思っているが 劇場版とTV版を混同してしまう 鉄郎の顔面で判断しよう

 

1980年~1982年

 なぜ82年で止めるかというと これはおれの持論なのだが (すでに取り潰してしまったが)過去のブログでも書いたように 83年からアニメのOP映像の雰囲気が違ってくる 83年に東京ディズニーランドが開園したのと 正直深い関係があると思う 「新しい波」は タツノコプロなら『未来警察ウラシマン』で サンライズは『銀河漂流バイファム』か? ほかにも『超時空世紀オーガス』(東京ムービー)やら『機甲創世記モスピーダ』(タツノコプロ)やら 東映では『愛してナイト』のOPが鮮烈である

 

 83年の話が不必要に長くなってしまった

 で 毎度のことながら 衛星アニメ劇場パタリロ!を幼少期に観たり ほんとうにそれぐらいである 『Dr.スランプ アラレちゃん』はアニマックスで頻繁に再放送 でも うーん 避けて通っていた?

Dr.スランプ アラレちゃん』 abemaTVの「なつかしアニメch」で配信されていたが 『ドラゴンボールZ』や『ドラゴンボール』よりも こっちのほうが良く出来てるんじゃなかろうかと思った のを ここに記す

『無彩限のファントム・ワールド』について、全話観たはずなのに何も思い出せない

 29歳になった。お年を召されたかたには「何を言ってるんだ」と言われるだろうが、最近ボケが著しい。脳の老化がもう始まっているんだと思う。

 

「全話観たアニメの作品名を思い出せない」という不可解極まる現象が起こり始めた。その作品とは『無彩限のファントム・ワールド』だ。とりわけ『むさいげん』が漢字でどう表記されるかどうか及び『ファントム』と『ワールド』の間に『・』(なかぐろ)がつくかどうかがほんの数分前まで思い出せなかった。

 

「5W1H」なんて略称はもう古臭いのだろうか。「いつ(When)」「どこで(Where)」「だれが(Who)」「なにを(What)」「なぜ(Why)」「どんなふうに(How)」を引っくるめて「5W1H」と呼ぶわけだが、アニメの「5W1H」がどんどん脳から抜け出していっている。特に本放映・本配信されたのが近ければ近いほど、あたまから抜け出していく。

 

 とりわけ致命傷なのが「いつWhen」「だれがWho」の2Wの忘却だ。<問題:『無彩限のファントム・ワールド』はいつが本放映でしたか?>もうどの年のどの季節にどんなアニメがやっていたか総括できない。とりわけ2010年代の作品に関してそういう傾向が強い。

 ちなみに、『無彩限のファントム・ワールド』の本放映は2016年1月から3月である。WikipediaGoogleで検索すれば一発で出てくる。しかしながら、かつてテレビアニメの放映年を覚えていることだけが取り柄だった男が、文明の利器に依存せざるを得ない、つまり自力でテレビアニメの放映時期を思い出せない老醜を晒しているという実態が、悔しくて仕方がない。

 

 いっそのこと、紙にエンピツで『無彩限のファントム・ワールド』『無彩限のファントム・ワールド』『無彩限のファントム・ワールド』『無彩限のファントム・ワールド』『無彩限のファントム・ワールド』……と130回ぐらい書き続けてみようか。それを3ヶ月間毎日続ければ、暗記できるかもしれない。

 

 最大の致命傷が癒えていない。

 それは、「キャラを声優の名前で覚えてしまっている」という醜態だ。つまり、「だれ Who」の部分。

 これはヤバい。声優に意識が向きすぎていることの証拠である。

 

 

 なんと声優名のスラスラ出てくることか。それでいて、何回頭をひねっても、作品上の主要構成員であるキャラクターの名前がまったく出てこない。

 これはおかしい。本末転倒である。キャラはキャラの名前で呼ぶべきで、映像を観ていてキャラの名前が声優で直ちに変換されるのが本当にヤバい。

 

無彩限のファントム・ワールド』主要構成員の名前の答え合わせ

 

 とくに↑の上から3番目から6番目の、中核を担っていた女性キャラ4人の名前をまったく忘れていたのが本当にヤバい。いっそのこと声優のことは一切忘れて、紙にエンピツで名前の読みを発声しながらキャラのフルネームを3ヶ月間毎日延々と書き続けていくしかないのかもしれない。しかも複数の。

*1:ほぼ番組レギュラー。端役を平然とこなしていたのが衝撃だった。

*2:かわかみ まい

*3:いずみ れいな

*4:みなせ こいと

*5:くままくら くるみ

*6:ひめの ありす、晴彦たちの顧問の先生

70年代生まれ 女性声優 (70年代前半編その1)

 

 

 とくに70年代前半生まれの声優さんに関しては「それは誰ですか」と言われるととても辛いものがある

 世代間ギャップを埋めるために1970年度~1974年度生まれの女性声優について紹介したい

 

川上とも子さんに哀悼の意をこめて

ゆきのさつき(旧名・雪野五月

主な担当キャラ:日暮かごめ犬夜叉)、千鳥かなめフルメタル・パニック!)、菫川ねねね(TV版ROD)、タナベ(プラネテス)、春日部咲*1げんしけん)、お妙さん(銀魂)、園崎魅音園崎詩音ひぐらしのなく頃に)、相楽美佐枝CLANNAD

個人的に好きなキャラ:榊美麗(『ひとひら』)

 

木村亜希子

主な担当キャラ:ミトさん(ハンターハンター)、ロックマンロックマンエグゼほか)、バシンのママ*2バトルスピリッツ 少年突破バシン)、高橋先生*3TARI TARI)、カレンのママ(きんいろモザイク

 

永島由子

主な担当キャラ:桐生水守(スクライド)、一条蛍の母さん(のんのんびより

 

長沢美樹

主な担当キャラ:伊吹マヤ新世紀エヴァンゲリオン)、パーラ(機動新世紀ガンダムX)、美夕(吸血鬼美夕)、クリームパンダ(それいけ! アンパンマン

その他の活動:「智一・美樹のラジオビッグバン」司会

 

くまいもとこ

主な担当キャラ:まこと(爆走兄弟レッツ&ゴー)、星渡ゴロ―(YAT安心!宇宙旅行)、ヤマザキ学級王ヤマザキ)、タカシ(アリスSOS)、李小狼カードキャプターさくら)、スカモン(デジモンアドベンチャー)、タカオ(爆転シュート ベイブレード)、チョコラブ(シャーマンキング)、パプワ*4PAPUWA)、ノシシ(かいけつゾロリ)、金田正太郎鉄人28号 今川版)、吾郎(MAJOR*5

 

松岡由貴

主な担当キャラ:あいこ(おジャ魔女どれみ)、大阪(あずまんが大王)、織姫(BLEACH)、鶴屋さん涼宮ハルヒの憂鬱

 

今井由香

主な担当キャラ:小樽(セイバーマリオネットJ)、沖田カイ(爆走兄弟レッツ&ゴー!!)、レナモン(デジモンセイバーズ)、魚谷ありさフルーツバスケット)、渋谷友千香(うたプリ

 

西村ちなみ

主な担当キャラ:ジュン(爆走兄弟レッツ&ゴー!!)、ねこ娘(鬼太郎4)、ジュンサーさん(ポケットモンスター)、花小町ももか*6(だぁ! だぁ! だぁ!)、おじゃる丸*7おじゃる丸)、アリア社長ARIA)、青木れいかキュアビューティスマイルプリキュア!

個人的に好きなキャラ:ミア・ギエム(『カレイドスター』)

 

小桜エツコ(エツ子)

主な担当キャラ:二階堂頼子(逮捕しちゃうぞ)、ピノッキモン(デジモンアドベンチャー)、コクリコ(サクラ大戦3)、ミルモミルモでポン!)、タママケロロ軍曹)、ジバニャン妖怪ウォッチ

 

石川静

主な担当キャラ:葛木カムイ(カードファイト!! ヴァンガード

*1:ただし前任者だ。後任は佐藤利奈

*2:川上とも子の途中降板による後任

*3:1話でお産により休職する和奏たちの担任

*4:初代は田中真弓

*5:小学生編のみ

*6:花小町クリスティーヌの従妹

*7:小西寛子の後任

2002年度生まれに『俺ガイル』はまだ早い!?

お詫び


 前回『ビューティフルライフ』を2000年度のドラマとして紹介しましたが、厳密には1999年度のドラマでした。
 申し訳ありませんでした。

 

 

『いきなり謝罪から始まる。あなたらしくないじゃないですか』

 

 うるさいな。
 ところで、おまえは、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』っていう作品は知っているよね。

 

『はい。1期が2013年4月、2期が2015年4月からでしたね』

 

 となると、いま俺が2002年度生まれであると仮定すると、1期が小学5年生、2期が中学1年生ということになるね。

 

『そうですね。
 小学5年生に俺ガイルは合わない気がしますね。深夜アニメだし――』

 

 いや、もうこの頃には、「深夜アニメ」っていう概念は崩壊していたよ。

 

『初耳です』

 

 だってWebの公式配信で事足りるようになってきたんだもん。

 

『たしかに』

 

 ところで、おまえは『3年B組金八先生』って知ってるよね?

 

『いつの時期の金八先生ですか?』

 

 上戸彩が出てた時のだな。

 

『ああ、だったら2001年度ですね』

 

 実は1999年度にも金八先生やってるみたいなんだけど、まったく記憶にないんだよね。
 で、1999年度って俺は小学5年生だったんですよ。

 

『ああ、俺ガイル2期は中学1年生ぐらいだったら中身がわかるかもしれないけど、小学5年生だとして、1期はわからないどころか、存在すら認知していなかった可能性があるってことですね』

 

 そうね。
 そういえば、金八先生も俺ガイルも、同じTBSの番組だね。
 ところで、テレビドラマの再放送は多いけど、テレビアニメ、とくに深夜帯のアニメの再放送はテレビドラマと比べると少ない気がする。

 

『となると、再放送の受け皿は、ニコ生やabemaということになりますね』

 

 そうなんだよね。
 少なくとも地上波では俺ガイルが再放送された試しがない。
 たぶん、おれが2002年度生まれだとして、俺ガイルを観る場合、後追い視聴にならざるをえないんだけど。
 ねえ、アニメと比べて実写は劣化が早いって知ってる?

 

『それはどういうことですか?』

 

 あのね、実写のテレビドラマなんかはすぐに映像や俳優が古臭くなるけど、アニメはそうとは限らないんだよね。 
 バブル時代のトレンディドラマなんか、今観ると悲惨なんだよ。

 

金八先生の映像もすぐに劣化してしまうということですか?』

 

 とくに演出面がそうなってしまうと思う。個人的な見解だけど。
 で、2期のほうの俺ガイルって、2002年度生まれだとすると、中学1年の1学期なんだよ。
 中1の男子なんて小学生みたいなもんでしょ?

 

『まぁ、そんなもんでしょうね』

 

 中学1年(2001年度)、まだおれは「このヒロインが可愛いからこのアニメ観る!」っていう意識じゃなかったんだよね。
 翌年の『東京アンダーグラウンド』のチェルシー・ローレックからだね。
 だから、雪ノ下雪乃由比ヶ浜結衣がいくら可愛くても、あんまり『俺ガイル』の1期にしても2期にしても劣情を示さなかったと思うんだよね、2002年度生まれと仮定して。

 

『なるほど』

 

 逆に俺が小学5年生(1999年)と中学1年生(2001年)の時に『俺ガイル』がやっていたとするよ。

 

『いや、あの時代に俺ガイルみたいなライトノベルはなかったでしょう』

 

 鋭い!
 あのねえ、『俺ガイル』みたいな作品が2000年前後にメディアミックスされるとしたら、アニメじゃなくてテレビドラマだっただろうね。

 

『じゃあ枠は金八先生の枠ですか』
 

 そうとは限らないけど、俺が知ってる金八先生は木曜日の放映だったから、そういう枠に嵌まり込むのかもしれないね。

 

『あの当時の青春ドラマには、野島伸司のストロベリー・オン・ザ・ショートケーキみたいなものもありました』

 

池袋ウエストゲートパーク』なんてのもあったね。
 みんなTBSだね。
ネバーランド』っていう、悪名高きドラマがあってね、丁度あの頃だった。金曜日の21時だったんだけど、原作者の恩田陸も疑問符をつけたドラマだったんだもの。

 

『いまの金スマの枠ですか?』

 

 そう。
ネバーランド』は、金曜21時のドラマ枠ごと潰しちゃったんだよね。

 

『話を戻して、いま、先輩が2002年度生まれだとすると、俺ガイルのメディアミックス展開と微妙にずれるってことですね』

 

 そうなるね。

もしぼくが今中学3年生だったら

「ぼくが中学生の時はね、堀江由衣は二十代のピチピチの姉ちゃんだったんだよ」とか、つい言いたくなってしまう。しかしこれは単なる自分語りにすぎない。年少の世代にとっては鬱陶しいことこの上ないだろう。
 また、「林原めぐみが『Tokyo Boogie Night』で妊娠報告したのを遠距離受信で聴いた」という『武勇伝』も、若い世代にとっては通用しないだろう。そもそも、「林原めぐみって誰ですか?」と言われる危険性が高い。

 

 そうねえ、堀江由衣は、今で言う早見沙織東山奈央のポジション――いや、雨宮天あたりの立ち位置だったと言ったほうがいいかもしれない。林原めぐみはね、今で言う沢城みゆきみたいな貫禄が出ていたよ。俺が中3のとき、林原めぐみは芸歴18年目とかだったから、現時点での沢城みゆきのキャリアとあんまり変わんなかったんだよね……。
 男性声優で一番人気があったのは保志総一朗だったと思う。以下、関智一櫻井孝宏と続く(こんなことばっかり言ってるから怒られるんだろうな)。福山潤はね、性別が違うから例えが正しくない気がするけど、突然忙しくなり始める前の花澤香菜みたいな――やっぱりちょっと違うか。ぼくが中学生のころ福山潤は仕事量こそ多くとも保志総一朗より一段格下みたいなポジションだったんだよ……!

 

 ずいぶん妄言を吐いてしまった。
 声優よりアニメの話がしたい。
 

 さて、ぼくが中学3年生だったのは2003年度である。
 

 ちょうど14年前か。『カレイドスター』を観始めたころだな。
 カレイドスターは1話から観始めたわけじゃないよ。
「仮面スター」っていう謎の人物が出始めたころで、オープニングテーマが米倉千尋の「約束の場所へ」で、何度もそのオープニングを観てると、「やべっ……これ、神じゃね!?」とか、そういう意識になっていました。
 ちなみにカレイドスタープラネテスは放映当時から神格化されていた向きがありました。もしかしたら、カレイドスター、1話から神アニメ扱いだったのかもしれない。だってねえ、第1話が放映された時点で、「すごいアニメが出てきた」って言われてたもん。まぁインターネット限定の話だけどさ。
 でね、カレイドスターと違って、プラネテスには原作があったんだよ……!!

 

 おっと。
 昔話はこれくらいにしよう。

 本題。
もしぼくが今中学3年生(15の年)だったら
 つまり、おれは1988年8月生まれだから、14年足せばいいんだな。そうすると、2002年8月生まれってことになるのか。
 今一番流行ってるアニメは、間違いなく『けものフレンズ』でしょう。
 ちなみに14年前の今頃(つまり2003年8月)、いちばん流行っていたアニメは『機動戦士ガンダムSEED』でした。
 でも、『けものフレンズ』と『機動戦士ガンダムSEED』を比べるのは、無理。
 だってねえ、日曜17時の枠*1自体がなくなっちゃったんだもんねえ。
 

 ところで、おれが2002年度生まれだとしたら、初めてリアルタイムで観たガンダムは何になるんだろう?
 俺が初めてリアルタイムで観たのはSEED。
 でも、ダブルオーも同じ枠=つまり全国放送だったから、おれが2002年度生まれだったとしたら、幼稚園や保育園のとき既にダブルオーでガンダムのTVシリーズリアルタイムガチ勢になっていたかもしれないな。
 けっこう陰惨な描写もあったから、お母ちゃんに「(ダブルオーを)観ちゃいけません!」とか言われるかもしれんが。
 あの枠、何回BPOに苦情が来たんだっけ?
 でも、『(ガンダム)AGE』は観られるよね。だってメディアミックスしたのが『コロコロコミック』とかでしょ、あれ。『イナズマイレブン』からの流れだったもんね、絶対。
 となると、『イナズマイレブン』が、(ゆとり世代の)おれたちにとっての『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』みたいなポジションになるわけか。

 

 ところで、『妖怪ウォッチ』って、西暦何年放映開始だっけ?

 

『2014年1月開始で、同年4月から今の枠ですよー』

 

 そうか。じゃあおれが2002年度生まれだと仮定すると、小学6年のとき妖怪ウォッチのブームを体感したわけか。
 おれが小学6年のときいちばんはまってたアニメって『デジモンアドベンチャー02』だったんだけどな。
 2014年度のあの枠(フジ系日曜朝9:00)ってなにやってたっけ。

 

『トリコが終わってドラゴンボール改に戻りました』

 

 そうなのか……。

 

デジモンクロスウォーズも残念ながらとっくに終わっていますね』

 

 そっかあ。

 あのさあ、俺が小学6年のとき(2000年度)って、キムタク主演ドラマがふたつあったんだよね。

 

『何と何ですか?』

 

ビューティフルライフ』と『HERO』。

 

『じゃあ、ビューティフルライフ四月は君の嘘、HEROがSHIROBAKO、ってドラマをアニメに置き換えられるんじゃないですか』

 

 君もずいぶん強引な手に出たね。
 視聴率という意味だったら、たしかに『HERO』が『SHIROBAKO』に近かったかもねえ*2
『HERO』にしても『ビューティフルライフ』にしても、視聴率が死ぬほど高かったけど、『ビューティフルライフ』≒『四月は君の嘘』って例えはお上手かもしれない。
 おれ、『四月は君の嘘』のこと、2割もしらないけどさ。

 

『駄目じゃないですか💢』

 

 ほんとにね。

 

*1:最終作品は『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』。源流は土曜18時の『機動戦士ガンダムSEED

*2:ただしフジ系だったのは『四月は君の嘘』のほう

『魔法陣グルグル』(初代)放映時に日本社会でなにが起きていたのか

 テレビせとうちでは、『魔法陣グルグル』を火曜深夜に放映しているが、やはり深夜まで起きていることができず、23年に渡っていまだアニメ『魔法陣グルグル』を視聴することができていない。
「23年に渡って~」といきなり書いたので、おまえたちは戸惑っているかもしれない。おれが「23年に渡って~」と言ったのは、漫画『魔法陣グルグル』がはじめてアニメ化されたのは1994年だからだ。ニケが瀧本富士子、ククリが吉田古奈美だったと思う。

 おれが『魔法陣グルグル』について知っていること。
 原作の単行本は1冊だけ先輩が持っていたのを読んだ。ほんとうにニケの魔法が尻から出ていた。94年のアニメ版に関しては、ニコニコ動画を中心に特に奥井亜紀の楽曲が人気が高く、主題歌だけは盛んに耳にしていた。監督の中西伸彰は、『恋姫†夢想』の監督という印象のほうが強かった。
 そもそも94年版はABC朝日放送発テレ朝系全国ネットであり、テレ朝系放送局が存在しない山陰地方では付け入る余地がなかった。以来23年に渡ってこの作品の本編映像を観れずじまいだ。新作、キタキタ親父の声優は据え置きでも良かったんではないか。

 じつは、『魔法陣グルグル』がメインの話をするつもりはない。『魔法陣グルグル』の最初のテレビアニメが放映されていた時代、どんな「世相」だったかについて語りたいのだ。
 
 おれは作家論は死ね! と思っているが、アニメ作品と当時の「世相」を絡めるのは大好き。かつて所屬していたサークルで、「アニメと世相」という発表をやった。しかしこの発表には不備も多く、柳美里さんにツイッターで名前を出されたのが恥ずかしかった。

 Wikipediaによれば、『魔法陣グルグル』(第1作)は、1994年10月13日に放映開始された。木曜のゴールデンタイムである。ちなみに4日後には『魔法騎士レイアース』(よみうりテレビ)が全国ネットで始まっている。
 それでは1994年10月前後に起きた社会的事象とはなにか。


 まず1994年6月、松本サリン事件が起きた。これはオウム真理教の犯行だったが、それが明るみに出されたのは地下鉄サリン事件の後だった。平成を代表する冤罪事件のひとつであり、無関係な人が報道被害を受けた事件のひとつである。
 同月、村山富市内閣が発足。おれが最初に認知した総理大臣は村山富市だった。
 8月。「FNSの日」番組終了直後、ビートたけしがバイク事故を起こす。当時おれは6歳だったが、たけしがあわや死にかけたことは鮮明に記憶の残滓となっている。
 9月。関西国際空港が開港。オリックス・ブルーウェーブイチローが、200本安打を達成。
 野球の話題をさらに加えるなら、この年槙原寛己完全試合を達成した。いわゆる10.8で長嶋茂雄読売ジャイアンツ高木守道中日ドラゴンズが優勝決定戦を行い、巨人が勝ってリーグ優勝を決めた。日本シリーズ。当時は昼間にも試合が行われており、保育園の昼寝の時間に保母さんがテレビ中継を観ていた。やはり巨人が日本一となり、西武の森監督が勇退した。
 10月13日(『魔法陣グルグル』がはじまった日)は、大江健三郎が日本人二人目のノーベル文学賞を授賞した日でもあった。軽い大江フィーバーみたいなものが起こり、純文学を基本受けつけないおれの親父も大江の著書を買っていた。ちなみにこの年は村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』の第1部と第2部が刊行された年でもある。

 

魔法陣グルグル』放映中のおもなトピック。

 

 11月22日、セガサターン発売。
 12月3日、プレイステーション発売。
 12月4日、ボクシングで薬師寺保栄辰吉丈一郎が王座決定戦。平成期もっとも国民的な注目を集めたボクシングの試合である。
 1995年1月17月、阪神・淡路大震災が発生。
 1995年2月、野茂英雄MLBドジャースに入団。
 3月20日、地下鉄サリン事件が発生。
 4月9日、青島幸男東京都知事選挙横山ノック大阪府知事選挙で当選。
 4月23日、オウム真理教の村井秀夫が暗殺。
 5月16日、オウム真理教教祖麻原彰晃松本智津夫)逮捕。テレビでは「Xデー」とか呼ばれていた。

 

 ここまでが『魔法陣グルグル』放映中の主な事項である。「ああ、大学生のときの発表の頃から、まるで進歩してないな」と思う。しかし『魔法陣グルグル』は、こんな世相のもとで放映していたのである。おまえたちには当時の世の中の空気を想像してもらいたい、それが本当の「想像力」なのだと思う。

『学戦都市アスタリスク』第2期のオープニングテーマについて

 1期はいまだに観ていない

 

オープニングテーマ:「The Asterisk War
作詞・歌 西沢幸奏
作曲・編曲 WEST GROUND

西沢幸奏(にしざわ しえな)

「にしざわ しえな」である。まちがっても「ゆきな」とか呼んではいけない。しかし一発で名前の読みがわからないのも事実。

 

 1997年生まれ(早生まれ)。フライングドッグの一員。

 デビュー曲「吹雪」はアニメ版『艦隊これくしょん -艦これ-』のエンディングテーマだった。いきなり同名のデビューシングルがオリコン初登場6位。

 間隔がかなりあいて2度目に主題歌を担当したテレビアニメが、『学戦都市アスタリスク』の1期だった(2015年10月)。彼女は『学戦都市アスタリスク』の1期と2期、ともにオープニングテーマを歌った。

 セカンドシングルは両A面だった。『アスタリスク』のオープニングテーマ「Brand-new World」と、OVAARIA The AVVENIRE』主題歌「ピアチェーレ」。

アスタリスク』2期(2006年4月開始)のオープニングテーマ「The Asterisk War」の次のシングルが、『劇場版 艦これ』の主題歌「帰還」。つまり、艦これ→アスタリスクアスタリスク→艦これというローテーションで歌ってきたということになる。20歳であり、まだ若いのだが、女性アニソンシンガーを相対的にとらえると「幼い」とはいえない。

 

WEST GROUND

 Wikipediaに項目が存在しない。

 ビクター公式

 プロフィールを閲覧すると、1982年沖縄県出身。主にフライングドッグアニメの作曲・編曲を担当する。

 初期に『蒼き鋼のアルペジオ』(TV版)のオープニングテーマの編曲を担当。作曲はMY FIRST STORY*1というロックバンド、歌詞を書いて歌っているのはアニソン好きにはおなじみのナノ、という体制だった。

 

 初めて作曲まで任せられたアニメ主題歌は『魔法戦争』エンディングテーマの「Born to be」、作詞と歌はやはりナノであった。本編は「素人の俺でもこれぐらいの話なら書ける」と罵倒されるほど凄惨な完成度を誇ったクソ泡沫単発劣等深夜アニメであり、エンディング映像だけが凄まじい完成度の高さでもちろん続編の噂はない。

 男児を主な視聴対象にしたと思われる『テンカイナイト』のオープニングテーマ「Get the Glory」の作曲・編曲を担当。作詞と歌は中ノ森文子、「中ノ森BAND」のボーカルと説明したほうがわかりやすいだろう。

 そのあと、ロボットアニメ『M3-ソノ黒キ鋼-』のエンディングテーマ「SABLE」の作曲・編曲を担当、作詞と歌唱のナノと再度タッグを組む。ところが、公式サイトのプロフィール欄に「『M3』とタイアップしましたよ」的な記述が欠落している。単巻リリースを断念したからって『M3』に対して酷すぎやしないかフライングドッグ。

 そして『艦隊これくしょん -艦これ-』オープニングテーマ「海色」の作曲・編曲、『緋弾のアリアAA』のオープニングテーマ「Bull's Eye」の作曲・編曲と順調に楽曲を作っていく。

 そして『緋弾のアリアAA』と並行して発表されたのが、『学戦都市アスタリスク』のオープニングテーマ「Brand-new World」であった。

アスタリスク』2期のあと、『魔法少女育成計画』『風夏』『チェインクロニクル ヘクセイタスの閃』に関わって*2、最新作が前クールに放映されたばかりの野心的なオリジナルアニメ『月がきれい』の主題歌制作である。

*1:ボーカルのHiroは森進一・森昌子元夫妻の三男。長男はONE OK ROCKのボーカルTaka。血は争えない

*2:風夏』では音楽も担当しているようだ

2016年春 ULTRA SUPER ANIME TIME より 『宇宙パトロールルル子』と『ぷちます!』の主題歌について

ULTRA SUPER ANIME TIME(2016年第2クール)

宇宙パトロールルル子』だけを抜き出して賞賛する向きもあるが、おれの認識は複合枠。いや、たしかに『影鰐』はアニメじゃない*1と思うよ。むしろおれの本命はぷちます! の再放送でした。
 ここでは『宇宙パトロールルル子』と『ぷちます!』の主題歌について触れたい。

 

宇宙パトロールルル子

オープニングテーマ「CRYまっくすド平日」

作詞藤原亮、高橋元希 作曲・歌フジロッ久(仮)

エンディングテーマ「Pipo Password」

作詞ボンジュール鈴木 作曲TeddyLoidTeddyLoid feat. ボンジュール鈴木

 

フジロッ久(仮)

 2004年結成のロックバンド。Wikipediaに項目がない。公式ブログを参照するしかない。
 公式によると、読みは「ふじろっきゅ かっこかり」。来歴はかなり長い記述になってしまうんで公式のプロフィールを見てください。

 

ボンジュール鈴木

 女性である。はい。
 ファーストシングルは、『ユリ熊嵐』(2015年冬アニメ)のオープニングテーマであった。
 本人名義のシングルは1枚だけ。くまみこ』のオープニングテーマの制作者でもある。今期は『魔法陣グルグル』のエンディングテーマのボーカルを担当。


TeddyLoid

テディロイド」と読む。8月23日生まれでおれと同じ誕生日、ただ学年は一個下だった。
 アニメと関わりを持ったのは、2010年秋アニメの『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』。「音楽」クレジットでは別名義だった。このアニメは監督が今石洋之であり、つまり『ルル子』と監督が一緒、『パンスト』と『ルル子』は似通った体制での作品だったということになる。
 その後2014年春アニメの『メカクシティアクターズ』の「音楽」に名を連ねる。
 また『ルル子』の同期の『マクロスデルタ』の挿入歌の作曲も担当した。
 そして今期、テレビアニメ『18if』の主題歌を担当中である。

 

ぷちます!』(1期再放送)

「あ・り・が・と・YESTERDAYS」
「TODAY with ME」
「Maybe TOMORROW」
「ら♪ら♪ら♪わんだぁらんど」(オールスター)

 

イイジマケン

 すべての主題歌の作詞と作曲を担当した。
 
 2011年『ゆるゆり』のオープニングテーマ「ゆりゆららららゆるゆり大事件」で強い印象を与える。2期(2012年夏)ではエンディングテーマの作曲に回った。
 OVA/映画/テレビスペシャルの『ゆるゆり なちゅやちゅみ!』では、再びオープニングテーマの作曲に返り咲いている。

 

春香・律子・真・美希(第1主題歌)

天海春香中村繪里子
秋月律子若林直美
菊地真平田宏美
星井美希長谷川明子

律子と真の声優はキャリアがけっこう長い。

千早・雪歩・亜美・真美・響(第2主題歌)

如月千早今井麻美
萩原雪歩浅倉杏美
双海亜美・真美:下田麻美
我那覇響沼倉愛美

 浅倉杏美は2代目の萩原雪歩である(初代は落合祐里香)。また、我那覇響はゲームでは追加されたキャラクターだった。
 この4者、初期は「アイマス声優」と皮肉のこもったニュアンスで呼ばれていたものの、2010年代に入ると、全員他のテレビアニメに影響力を行使することとなった。

やよい・あずさ・伊織・貴音(第3主題歌)

高槻やよい仁後真耶子
三浦あずさたかはし智秋
水瀬伊織釘宮理恵
四条貴音原由実

 原以外の3者は芸歴が長い。原は2010年代以降テレビアニメで存在感を増している。

*1:アニメーションではある。

ナージャ・アップルフィールドにとって視聴率よりも大切なこと

 ここ2回に渡って「人気」と「実力」について言及してきたものの、アニメ作品にとって「人気」と「実力」がいったいどのようなものなのか、「人気」と「実力」を決める尺度は何か、相対主義なのか絶対主義なのか、こういった疑問に対して何の答えも出なかった。

 前2回でおれは「人気」イコール「売れ行き」であると安易に定義してしまった。あえて「売り上げ」ではなく「売れ行き」という書き方にしたのは、単に2ちゃんねるの売りスレに対するやっかみ、それに加えて数字だけが尺度になることへの疑義によるものであった。

 

視聴率とこどものおもちゃ 

 かつてテレビアニメ番組の「人気」をはかる指標として、視聴率が用いられた。とくにゴールデンタイムないし土日の18時台に放映されるアニメに対し視聴率はシビアなものさしであり、高視聴率を挙げた番組と安定した視聴率を保った番組は長く継続する傾向にあった。
 

 しかしながら「ゴールデンタイムないし土日の18時台に放映されるアニメの人気をはかる尺度は視聴率であり、視聴率によって番組の継続は左右された」という記述では満点解答とはいえず、「関連商品の売り上げ」というもう一つの数字が、テレビアニメの命運を長らく握っていた。とりわけロボットアニメと魔法少女アニメにとっては命綱のようなもので、80年代にゴールデンタイムから夕方枠および日曜午前(ないし14時台)あるいはネットワークが未整備の弱小局であったテレビ東京に「移民」し始めたという事を鑑みれば、もはや「マーチャンダイジング」は放映枠の垣根を超えた死活問題であった。

 
明日のナージャ』の蹉跌

 おまえは『明日のナージャ』というアニメを覚えているだろうか。2003年度にABC朝日放送製作でテレ朝系で全国放送された日曜朝の女児を視聴対象としたテレビアニメ番組だ。『おジャ魔女どれみ』シリーズの最終作『ドッカ~ン!』の後番組かつ『ふたりはプリキュア』の前番組である。ということは『夢のクレヨン王国』開始以降の同枠のアニメでもっとも短命だったアニメということになる。
 

 短命だったという事実は、『明日のナージャ』という作品にとって、かなり不名誉な意味を帯びたものと化した。主演の小清水亜美は放映終了数年後に『笑っていいとも!』に出演した際に共演者との実績の比較でかなり晒し者に近い扱いだったという印象を視聴者とオタクに与え、「(小清水を)もう許してやれよ」というネットスラングが2000年代終盤にかなり拡散していた*1
 負の意味合いでは「商業不振」ももっとも重要なキーワードの一つであった。視聴率面でもだいぶ関Pは「(低迷に)あえいでいた」ようだが、それよりも重要なのはおもちゃの売れ行きの深刻な落ち込みだったはずだ。視聴率と玩具の売上高の具体的な数字に踏み込む勇気を今回は節約しておくが、おまえも知っている通りこの枠は長年バンダイが提供してきており、「おもちゃが売れない!」というバンダイの悲鳴が、視聴率面での苦戦に対する虚ろな感情をはるかに凌駕する勢いでおれたちの耳に鳴り響いていた。

 
 そもそも関Pが『明日のナージャ』という題名にまつわる続編アニメをどの程度まで構想していたのか、あるいは『明日のナージャ』のような路線を長期展開(具体的な数字を出すとすれば4年以上……)するつもりがそもそもあったのか、まったく部外者であるおれにはわからない。『夢のクレヨン王国』以降もっとも短期間のシリーズ展開であったという事実と、関Pに代わり後番組の『ふたりはプリキュア』から鷲尾天がプロデューサーになったという事実が残っているだけだ。

 

明日のナージャ』とは何なのか

 で、なぜ突然『ナージャ』を引き合いに出したかというと、視聴率だけでなく関連商品の売れ行きがいかに重要であるかということを例示したかったからだ、というのは3割は嘘で、「オープニングとエンディングのクオリティ鬼だったよなあ」「スタッフの名前で永久に名前遊びできるよなあ」という不埒な考えと、ただ単に『明日のナージャ』というアニメが21世紀以降の全日帯アニメ――言いかえるならば、深夜枠と反対に多くの視聴者に開け放たれたアニメ――のなかで「短命だった」という意味合いを超越して「浮いた存在である」ということを主観的に強調したかったのが、残りの3割だ。ちなみにこの年(2003年)の全日帯アニメの中で、もう一つだけ『ナージャ』のポジションに近かったアニメ番組を挙げるとすれば、『探偵学園Q』1択である。

 

 

※2010年代で「浮遊した存在」の全日帯アニメをひとつだけ挙げるとすれば、個人的には『ビーストサーガ』を推奨したいと思う。

*1:ちなみに小清水亜美は2011年度のプリキュアである『スイートプリキュア♪』で同枠における2度めの主演を果たし、いわば「名誉挽回」といった形になった。

昭和期のヤクルトスワローズと『クソアニメ』

bakhtin19880823.hatenadiary.com


 前回のこの記事で、アニメ作品における「人気」と「実力」の話をした。「人気」すなわち売れ行き、「実力」すなわち品質(とくに映像作品としての質)だと言った。
 そして『日常』と『氷菓』を取り上げたのであるが、「人気」(売れ行き)と「実力」(品質)の問題については、抽象的で曖昧とした記述にとどまってしまった。
 

 人気=「売れ行き」とは何か、実力=「(映像作品としての)品質」とは何か、そういう定義付けを説明する責任を、ぼくは放棄したいと思う。よって無責任にアニメ作品における「人気」=「売れ行き」/「実力」=「品質」についてどんどん放言を書き連ねていきたい。

 


 村上春樹が、80年代のエッセイでヤクルトスワローズについて書いている。うろ覚えで内容を要約してみる。

 

SWALLOWS CREW名誉会員・村上春樹

 村上春樹は、早稲田大学に通うため上京したとき、どの球団を応援するか迷った。なぜなら当時はまだ在京の球団がかなり多かったからだ。
 春樹は、当時『サンケイアトムズ*1』と呼ばれてれいた現在の東京ヤクルトスワローズを応援することに決めた。これにはいろいろと事情があって、エッセイでも説明されているが、ここでは省略する。

 

うわっ、この球団……弱すぎ!?

 村上春樹神宮球場でガールフレンドとヤクルトの試合を観戦していたときのエピソードが面白い。
 

 当時ヤクルトスワローズはマジで弱かった。なんと1970年の勝率は.264。別所毅彦監督がシーズン途中で更迭されるのも残念ながら当然であろう。
 74年に奇跡的にAクラスになるも、広岡達朗が監督になるまで15年連続で勝率が5割未満だった。そもそも前身の国鉄スワローズが、金田正一の調子がチームの命運を握っているような状態の球団だった。で、カネやんは巨人に移籍するので、スワローズは泥沼の暗黒に陥ったのであった。
 そんな時期に村上春樹神宮球場で野球観戦デートをしていたのだから傑作である。「あなた、こんなチーム応援してるの?」と面と向かって言われたという。打撃も守備もボロボロで、とくに春樹は外野の芝生席から試合を観戦していたので、毎回のように外野手のエラーを眼の前で目撃していたらしい。

 

つかの間のオアシス

 しかしながら、1978年、広岡達朗のもとでついにヤクルトスワローズは初優勝・日本一を達成する。*2
 そして、春樹がヤクルトスワローズについてのエッセイを執筆したのは、初優勝後の時代であった。

 

武上/土橋/関根と共に苦難を乗り越えていけ

 1981年以降、10年連続Bクラスの泥沼。80年代のヤクルトは暗黒の中の暗黒だった。

 ノムさんが監督になって『ID野球』が流行語になったことを知らない世代が社会人になっている時代が来た。しかしぼくと同世代の人間でも、ノムさんの一つ前のヤクルトの監督が誰だったか知らないし、80年代を通じて暗黒だったことを知るよしもない。

 

こんなアニメ観てて何が悪い

 で、何が言いたいかというと、「あなた、こんなチーム応援してるの?」と村上春樹が彼女に言われたような状態のチーム、つまり「人気」(在京球団は巨人一人勝ち)も「実力」もなかった時代のヤクルトスワローズ広岡達朗政権を除外すれば底辺球団だった昭和期のヤクルトスワローズに、「人気」=「売れ行き」も「実力」=「品質」も低調ないわゆる世間一般で『クソアニメ』と呼ばれているような泡沫底辺深夜アニメに通じるものを感じ、そんな底辺球団を応援し続けてきた村上春樹という男に、世間一般で『クソアニメ』と言われていようが、そういった作品を世間の酷評に構わず楽しみ続けるアニメファンに通じるものを感じるのである。

 たとえ「お前、こんな(クソ)アニメ観てるのかよ?」と言われたとしても、絶対に投げ出さないアニメファンの鑑……。

*1:公式サイトを閲覧したら、1969年からの球団名の変遷についての記述が事実と異なっていたので、丸ごと削除。記憶力どころかWikipediaの読解力も衰えていた。

*2:ちなみにこの年の日本シリーズの最終戦で、阪急ブレーブス上田利治監督の審判に対する猛抗議により試合が1時間以上中断したというエピソードは、野球ファンには有名である。

京都アニメーションに関する個人的な感情について

 僕と京アニの出会い。


 高校時代(2000年代中期)、ライトノベルフルメタル・パニック!』の短編のほうのアニメ化作品が評判になっていることを風の噂で聞いた。僕は『フルメタル・パニック!』の短編集を読むのが好きだったので、噂のアニメ作品『フルメタル・パニック? ふもっふ』のDVDを高校の近くのレンタルビデオ屋で借りた。当時僕はアニメからセミリタイヤ状態で、レンタルビデオソフトを借りる習慣はなかった(そのかわり昼飯代をケチってCDをがんがん借りていた)。当時の僕にDVDを借りさせるだけでも、京アニの魔力というのは恐ろしいものがある。


フルメタル・パニック? ふもっふ』のDVD第1巻を借りたとき、『涼宮ハルヒの憂鬱』が流行っていたかどうか定かではない。
フルメタル・パニック? ふもっふ』が京都アニメーションの実質的な処女作であることなど知る由もなかった。「京都アニメーション」という制作会社が存在していることを認知していたかどうかすら怪しかった。

 

 で、『フルメタル・パニック? ふもっふ』のDVD第1巻を観たんだが、はっきり言って少しも面白くなかった。原作を読めば十分。そもそも『フルメタル・パニック!』の短編は、「文学」という制約が産んだ文章表現としての面白さに立脚しているのであり、文字で読んでこそ笑えるものを、原作に忠誠を誓い、原作に忠実に映像化したところで、何の面白みもなく笑えない。

 

技術で殴ってくる京都アニメーション

CLANNAD アフターストーリー』辺りまでの京都アニメーションは、技術で殴ってくる会社だった。技術で殴ってくるということは、圧倒的な映像表現力を誇示することである。大上段に構えて、圧倒的な映像美で攻撃してくる。そう、2000年代までの京アニは僕にとって「敵」だったのだ。『CLANNAD アフターストーリー』そっちのけで、PAWORKSの処女作『true tears』を、画面にしがみつくように観ていた二十歳の冬――。

 

『日常』そして『氷菓

 2011年4月、『日常』放映開始。当初の売れ行きが芳しくなく、京アニの「落日」がささやかれた。しかし2012年1月に公共放送のNHK(Eテレ)で放映されることが発表され、アニメファンに衝撃を与えた。


 表現形式こそ違えど同じ角川作品であった小説『古典部シリーズ』を、『氷菓』というタイトルで、Eテレ版『日常』の放映終了直後に放映開始。『日常』より売れ行きは芳しく、人気(売れ行き)・実力(品質)両面を兼ね備えたテレビアニメで、『氷菓』により、1年前の『日常』開始当時一瞬は「落日」とか囁かれていた京アニは持ち直す。

 

宿敵 『響け! ユーフォニアム

 ところで『響け! ユーフォニアム』がNHKのBS放送で放映されることが確定したらしい。

 『響け! ユーフォニアム』の第2期が放映開始されたとき(2016年10月)、僕は非常に「危機感」を持った。この「危機感」は僕独自の感情であり、巷の『ユーフォニアム』及び京都アニメーションに対する一般的感情とは真反対のものだ。


 ではその「危機感」とは一体何だったのか? 


 それは、2008年10月に『CLANNAD アフターストーリー』が始まったとき感じた「危機感」と、ほぼ似通ったものだ。
 

 あの頃の京都アニメーション及び京都アニメーションが作るKeyブランド原作アニメへの崇拝は異常ともいえるものがあった。筋金入りのKeyアンチはいただろうし、筋金入りの京アニ否定派(または京アニ作品を過大評価だと思う人々)は確かにいた。しかしながら、現在、反・京都アニメーション勢力は、ほとんど根絶やしにされているように思う。かつてのアンチ京アニは、回心または改心するか、アニメ自体を観なくなったのだと思う。

 

 『ユーフォニアム』2期開始当時の「危機感」が、『CLANNAD アフターストーリー』開始当時の「危機感」と似通ったものであるという話だった。それでは、具体的にその感情とはどういうものなのか。


 ↑に、「『CLANNAD アフターストーリー』辺りまでの京都アニメーションは、技術で殴ってくる会社だった」と書いた。「技術で殴ってくるということは、圧倒的な映像表現力を誇示することである。大上段に構えて、圧倒的な映像美で攻撃してくる」とも書いた。『響け! ユーフォニアム』というアニメ作品は、まさに「技術で殴ってくる」「圧倒的映像美で攻撃してくる」京アニ作品のリバイバルだった。つまり、『ユーフォニアム』は、僕にとって宿敵のようなアニメ作品だったのだ。

 

僕は『日常』が好きだ

 僕は、『日常』から『甘城ブリリアントパーク』までの時期の京アニ作品に好意を持っている。つまり2010年代前半の『けいおん!』関連作品を除いた作品である。ただし、『たまこラブストーリー』は除外させて欲しい。ただ単に観ていないという理由だけだ。もっとも、未鑑賞という理由以外に、なにかイデオロギー的な理由が無意識の裡にあるような気がしてならない。それは『たまこラブストーリー』に対する僕自身の生理的なジレンマと対応してくる。

 
 それはいいとして、僕が断然京都アニメーション作品の中で好きだったのが『日常』だ。さきほど、『氷菓』が、「人気(売れ行き)・実力(品質)両面を兼ね備えたテレビアニメで」ある、と書いた。しかしながら、僕は『氷菓』放映以前に、『古典部シリーズ』の既刊を全部読んでいた。だから『氷菓』というアニメに正当な評価を下せなかった。原作を知っているがゆえに。


 人気(売れ行き)・実力(品質)両面を兼ね備えたテレビアニメは珍しい。放映当初の『日常』は、たしかに人気(売れ行き)の面では『氷菓』に劣っていた。でも、実力(品質)は、『日常』のほうが『氷菓』より断然上。というのは、完全に僕の主観であり、「ありえないよ」「『氷菓』のほうが作画はいい」という声なき声がただちに聴こえてくる。「『氷菓』のほうが品質的(ここでいう「品質」とは、ほぼ映像作品としての質のことだ)にも上」という意見を、尊重しないのではない。もうこれは完全に「嗜好」の問題であり、爆発的でアヴァンギャルドな映像を観たかったら『日常』を観ろ、テクニカルで繊細に美しい映像を観たかったら『氷菓』を観ろ、というふうな言いように帰着するのだと思う。

 

氷菓』と違って原作に無知であり、爆発的でアヴァンギャルドな映像のほうが好きだったので、『日常』を上にとっているだけのことだ。