死ぬまでオタク

(基本的に)テレビとアニメしか観ません

2000年代アニメの検討は『デジモンアドベンチャー』からはじめる

 2000年代アニメの検討は、1999年からはじめるのが妥当だと思う。なぜか。1999年という年の日本を思い起こせ。聞こえてくるだろう、『ミレニアム』で浮かれていた喧騒が。見えてくるだろう、主張する『ミレニアム』の5文字が。
 
 主観的に語る。1999年、ノストラダムスの予言によれば「地球はこの年に滅亡する」そうな。だが、1999年、地球は滅亡しなかった。1999年の夏を越え、大晦日が近づくに連れ、特にテレビが、『ミレニアム』『ミレニアム』と囃し立てていた。この年は、心なしか、年末特番の分量が、多かった。ぼくは小学5年生で、異様な熱量に化合するよりも、その異様な熱量に戸惑いを覚えていた。2000年12月31日に20世紀が終わることのほうが、はるかに重大なことだと思っていた。


 ともあれ、1999年の気分は、2000年代の気分同然であったのも、冷静な主観的事実である。

 

デジモンアドベンチャー』の不気味? な画面
 

 アニメの話である。


デジモンアドベンチャー』というテレビアニメがある。「セル画アニメ」というはなはだ不適切で妥当な形容の画面とはまるで違っていた。その前提を大事にしよう。アニメーターは手描きである。彩色がデジタルになったことが大きい。誇大表現を用いるならば、『デジモンアドベンチャー』の画面は不気味な画面だった。東映鬼太郎松岡洋子版)の中途からデジタル彩色に移行したそうな。ただ、裏事情が小市民のぼくにわかるわけがない。それは今後も変わらない。

デジモンアドベンチャーの前番組はなにか 


 放映枠的な考え方をフルスロットルにすれば、『デジモンアドベンチャー』の前枠なんぞやという話であって、前枠は『ひみつのアッコちゃん山崎和佳奈版)』である。ただ、このアッコちゃんは、ぼくの根城である山陰地方では放映されなかった。むしろ太田淑子版のアッコちゃんを妹と熱心に観ていた(レンタルビデオ。なお、堀江美都子版は現在に至るまで一切観たことがない)。

 

うたえモンのデジモンアドベンチャー推し


快進撃TVうたえモン』というテレビ番組があった。同世代なら覚えている人間も多いだろう。うたえモン末期、『デジモンアドベンチャー』がしきりに人気アニメとして押し出されていた。ただ、その頃は、『デジモンアドベンチャー』は、山陰中央テレビでは放映されていない。


ルギア爆誕 ~卒業~

 

 たまにはアニメ映画の話をしよう。99年夏--まさにノストラダムスの季節--に、『ポケットモンスター』の劇場版第2作『ルギア爆誕』が上映された。良識的な大人と子どもの、この映画に対する評価は、前年の『ミュウツーの逆襲』から、大きく下落した。個人的には『ミュウツーの逆襲』という映画が好かんかったし、かと言って『ルギア爆誕』に何かしらの価値を見出そうとしても、空振り三振。覚えているのは、主題歌が安室奈美恵で、主題歌のプロデューサーが小室哲哉で、脚本の首藤剛志が死ぬ間際にWEBアニメスタイルの連載で小室を激しく叩いていたということだけである。


 そしてぼく(あるいは『ぼくら』)は、ポケモンを卒業した。
 

ぼくの地元ではデジモンアドベンチャーは26話から始まった

 

 フジテレビでの、「輝く翼! ガルダモン」(26話)の放映日をウィキペディアに依存して確かめてみる。9月5日。2学期が始まった。そして、もちろん遅れネットで、デジモンアドベンチャー』の放映が、満を持して山陰中央テレビで始まったのである。何よりも重要なこと。それは、山陰中央テレビでの『デジモンアドベンチャー』の放映は第26話から始まったこと。
 覚えている。よく覚えている。水谷優子だ。武之内空だ。バードラモンがガルダモンに超進化する回だ。武之内母娘の対立と、ヴァンデモンの見参が主要な内容であった。27話。日本行きが失敗。28話。再度日本行きを敢行する太一たち。今村隆寛演出。ついに扉は開かれ、29話から日本編(というよりも東京編)が始まる。以下、ヴァンデモンが撃滅されるまで、平成期のテレビアニメ屈指の充実した脚本が展開される。
 そして第4部。フジテレビでは、ホエーモンとメタルシードラモンの死が年内最後の放映(1999/12/26)。実はこの回をぼくは東京のホテルで観ている。両親が旅行好きだったからだ。年が明けて、ピノッキモン・ジュレイモンが登場し、タケルをめぐって太一に嫉妬したヤマトがキレて仲間割れ(45話ぐらい)。しかしもう2000年になっていた。

 

いろいろな不都合

 

 最終話まで圧倒的な熱量で駆け抜けた脚本(と演出)であった。過剰人気により続編『デジモンアドベンチャー02』の放映が決定・開始。細田守の『ウォーゲーム』が人気に拍車をかける。しかし『02』はどう考えても波乱アニメである。竜頭蛇尾か……しかし、ぼくが、テレビに釘付けになって観ていたのは『02』のほうだ。しかしながら『02』は2000年に始まり、2001年に終わった。