【アニメを考える会】乱平の内省
はるかがキレた。
基本、温厚なはるかが。
『あなたにとってアニメってなんなの?』
『もしかして好きなアニメ作品が何かすら答えられないの、言えないの!?』
アニメは、当たり前にそこにあった。
『アニメとは何か』なんて問いを、自分に立てたこともなかった。
むしろ、そんな自問自答、
『無粋だ』と思っていたのだ。
「クソアニメも神アニメもない」と思って、ここまできた。
アニメは観るけれど、そこに価値判断が入ってくる余地はなく、
最終回が終わったら、片っ端から忘れていた。
ただ、絵が動いているだけでよかった。
いや、さして枚数が多くなく、あまり絵が動いていない低カロリーなアニメでも楽しんでいた。
それじゃあ、だめなのかーー。
今まで、そんなスタンスで、
他人を怒らせたことがなかった。
でも、はるかはキレた。
「かくあるべし」と思わないことが、他人を傷つけることもあるということを、
おれは知ってしまった。