『無彩限のファントム・ワールド』について、全話観たはずなのに何も思い出せない
29歳になった。お年を召されたかたには「何を言ってるんだ」と言われるだろうが、最近ボケが著しい。脳の老化がもう始まっているんだと思う。
「全話観たアニメの作品名を思い出せない」という不可解極まる現象が起こり始めた。その作品とは『無彩限のファントム・ワールド』だ。とりわけ『むさいげん』が漢字でどう表記されるかどうか及び『ファントム』と『ワールド』の間に『・』(なかぐろ)がつくかどうかがほんの数分前まで思い出せなかった。
「5W1H」なんて略称はもう古臭いのだろうか。「いつ(When)」「どこで(Where)」「だれが(Who)」「なにを(What)」「なぜ(Why)」「どんなふうに(How)」を引っくるめて「5W1H」と呼ぶわけだが、アニメの「5W1H」がどんどん脳から抜け出していっている。特に本放映・本配信されたのが近ければ近いほど、あたまから抜け出していく。
とりわけ致命傷なのが「いつWhen」「だれがWho」の2Wの忘却だ。<問題:『無彩限のファントム・ワールド』はいつが本放映でしたか?>もうどの年のどの季節にどんなアニメがやっていたか総括できない。とりわけ2010年代の作品に関してそういう傾向が強い。
ちなみに、『無彩限のファントム・ワールド』の本放映は2016年1月から3月である。WikipediaやGoogleで検索すれば一発で出てくる。しかしながら、かつてテレビアニメの放映年を覚えていることだけが取り柄だった男が、文明の利器に依存せざるを得ない、つまり自力でテレビアニメの放映時期を思い出せない老醜を晒しているという実態が、悔しくて仕方がない。
いっそのこと、紙にエンピツで『無彩限のファントム・ワールド』『無彩限のファントム・ワールド』『無彩限のファントム・ワールド』『無彩限のファントム・ワールド』『無彩限のファントム・ワールド』……と130回ぐらい書き続けてみようか。それを3ヶ月間毎日続ければ、暗記できるかもしれない。
最大の致命傷が癒えていない。
それは、「キャラを声優の名前で覚えてしまっている」という醜態だ。つまり、「だれ Who」の部分。
これはヤバい。声優に意識が向きすぎていることの証拠である。
なんと声優名のスラスラ出てくることか。それでいて、何回頭をひねっても、作品上の主要構成員であるキャラクターの名前がまったく出てこない。
これはおかしい。本末転倒である。キャラはキャラの名前で呼ぶべきで、映像を観ていてキャラの名前が声優で直ちに変換されるのが本当にヤバい。
『無彩限のファントム・ワールド』主要構成員の名前の答え合わせ
とくに↑の上から3番目から6番目の、中核を担っていた女性キャラ4人の名前をまったく忘れていたのが本当にヤバい。いっそのこと声優のことは一切忘れて、紙にエンピツで名前の読みを発声しながらキャラのフルネームを3ヶ月間毎日延々と書き続けていくしかないのかもしれない。しかも複数の。